比較的専門的なSEO施策
独自ドメインの利用
検索エンジンはサイトコンテンツとURLの関係性を評価している可能性があります。
無料ブログですとアカウント名になる事が多いですが、僅かながら独自ドメインはSEOに有利だと思われます。
WordPressなら自動的に割り振られた記事のURLよりも、パーマリンクを活用した方が有利でしょう。
日本語ドメインの利用
独自ドメインの中でも、日本語ドメインだから価値が高い、という事は無いですが、日本語である事によって見た人間に対して印象が強くなる、という事はあると思いますので、間接的に効果がある可能性があります。
ただし、日本語ドメインをSNSシェアする時などに認識されず、ピュニコード(Punycode)に変換される場合が多いです。
マルチドメイン設定
マルチドメイン設定のできるサーバであれば通常の英数のドメインも設定する方が無難でしょう。
例えば、ブラウザのURL欄に「iphone.com」などとURLを打ち込むと、Appleに転送されます。
ここで上記の日本語ドメインを使っている場合、Punycodeに自動で変換されず、叩いても表示されない、というような事になってしまうので、シェアされるようなボタンは通常の英数ドメインにしておくと無難です。SEO効果は下がるかと思いますが、何も表示されないよりマシでしょう。
WordPressの利用
WordPressだから検索エンジンに優遇されるという事は無いはずですが、実際のところ、誰が更新してもいいので頻繁に更新できる、また誰がやっても基本的に文章構造が合ってるという点は検索的に有利かと思います。
自分で聴いたわけではありませんが、Googleの検索エンジン開発部門の責任者マット・カッツによる有名なセリフによると「WordPressは、SEOに関する多くの問題を自動的に解決してくれて、SEOの手法の80%~90%に対応するように作られている」のだそうです。
パーマリンク
WordPressの場合ですが、 パーマリンクとはWordPressによって生成される該当ページのURLです。
標準ではシステム上の値が振られるので、人間から見たらおよそ意味不明なものになります。
だからといって日本語ではもちろん逆効果なので、
端的に意味の通じる短い言葉になっていると良いでしょう。
「http://トップレベルドメイン/カテゴリー名/記事固有のキーワード」
などが良いかと思います。
canonical設定
似たような内容の記事が重複する可能性がある場合は、canonical設定で優先するページを決めます。
例えば、ECサイトには似た説明が大量に発生する可能性が高いです。
優先しないページのhead内にに「<link rel=”canonical” href=”(優先ページのURL)”/>」と記述します。
少し違う話ですが、ドメインの「www」の有り無し、URLの「.html」の有り無しもcanonical設定しておくと有利とされます。
アコーディオンについての注意
jQueryが普及してから、アコーディオンメニューが手軽に設置できるようになったかと思います。
ボタンを押すとその下に子メニューが伸びてくるメニューですが、
クローラーというのはそのページが開かれた時にビューされているものが重要なので、アコーディオンの中にしまわれていたものはあまり読みません。
重要な内容はアコーディオンの外に置くのが良いでしょう。
レスポンシブデザインの使用
ずっと前からレスポンシブデザインはSEOに有利と言われています。
PCサイトとSPサイトに分けて作るよりも更新が楽ですし、重複の可能性が無くなります。
PC←→SP間のリダイレクトによるエラーも起きないですし、結果的には有効なのではと思います。
例として、STARBUCKSのサイトなどは、PC/SP(スマホ)/Tablet/ガラケーでそれぞれ最適な表示がされるように作られています。
このデバイスを判別する方法にはウィンドウサイズ(SafariやChrome、標準ブラウザの画面の横幅)に合わせて表示を変える方法をとっています。
この画面の横幅(iPhoneであればこちらの記事を参照)をメディアクエリと呼びます。
現状、PC/SPだけ、多くてもTabletがあるくらいが一般的です。
マルチデバイスを実装するに、はいくつか方法があります。
- Apache(サーバにインストールされているミドルウェア)でUserAgentを判別して表示を切り替える
- HTML上のJavaScriptでPCが見に来たかSPが見に来たか(UserAgent)を判定して、それぞれに適したCSSを表示する
- cssでウィンドウサイズを判定してそれぞれに適したCSSを表示する
例えばチケット購入サイトなどで、スマートフォンでは購入機能を提供できない場合などはレスポンシブする意味が無いので、1を採用するかも知れません。
そんな場合でもスマートフォンでの検索結果が無いのはSEO的には良くないので、スマートフォンで見た場合を考慮する必要はあります。
必ずスマートフォンビューを用意する
今Googleはモバイルで検索した場合の検索結果をPCでの検索結果より優先しているそうです。
少し前まではスマートフォンに対応していないサイトに、非モバイルフレンドリーの警告が出ていたのですが、どうやら表示されなくなったようです。
Googleにどう思われているかはSEO的に重要なのでモバイル フレンドリーテストなどで調べてみると良いでしょう。
hidden(隠し要素)に注意
かなり古い話ですが、検索されたいキーワードを背景と同じ色にして大量にページに記載する古典的なSEOがありました。
現在のGoogleでは、偽装目的の隠しテキストや隠しリンクが含まれていると判断されたサイトはペナルティを受けます。
また、アコーディオンのようにビューされていない文字はSEO的な価値がありません。
しかし、SEOを目的にレスポンシブデザインにしようとすると、SPではいるけどPCでは使わない要素、あるいはその逆が出てきます。
例えば「電話をかける」ボタンはマーケティング上で重要な要素ですが、PCには要りません。
逆に、PCのヘッダーがカルーセルになっていたとして、デザイン上の理由でSPでは邪魔になる事も多々あります。
そこで使うのが、
「PCの時は消す(見えない)」もしくは「SPの時は消す(見えない)」という指定です。
visibility:hidden;
display:none;
という2つの指定を使い分けます。
visibility:hidden;(要素はあるけど隠されている)
display:none;(ブラウザはその要素を読まない=存在しない)
例えばSEO上で上位に上げたいキーワードを文脈に関係なく大量に書き込んでhiddenしてしまうと、たぶんペナルティを受けます。
PCのメインイメージがPCに最適なので、SPではnoneにする、逆にSPでのメインイメージはPCではnone、というような使い方はOKです。
重すぎるサイトは避ける
これは初級的な話なのかも知れませんが、レスポンスが重すぎるサイトはSEO評価が低下します。WordPressを使用するのを推奨しておいてなんですが、WordPressの使用法によっては表示が遅くなるので注意が必要かも知れません。
AMPへの対応
AMP HTMLとはモバイル端末向けに高速で表示するためのフォーマットです。
このフォーマットに沿ってモバイル用ページを制作すると、Googleは高速で表示させる事ができます。
モバイル向けで高速化されるので、読み込み時間が改善されます。
サイトの紹介がGoogle検索結果のカルーセルに表示される可能性があるので、そこから流入する可能性があります。
上記の結果としてSEOに効果があるかも知れない、と言われます。
対象のページがSEO対策されているか調べる。
基本的には、GoogleAnalyticsなどを導入してから調べるのが一般的ですが、初回の打ち合わせ時など、それもわからない場合には即座に調べる方法もあります。
ブラウザのURL欄に「info:」と書いてからURLを入力すると、Googleが認識しているかどうか調べる事ができます。
構造化データの利用
少し制作のタスクの増える話ですが、最近のトピックスとして、Googleに構造化データの利用が推奨されています。
これはページに関する情報をコードに記載し、 コンテンツをBotが読みやすいように標準化されたデータ形式に整える事でインデックスされやすくなります。
データの形式は「JSON-LD」「microdata」「RDFa」の3つがあり、Googleは「JSON-LD」を推奨しているとの事です。
Googleから構造化データ マークアップ支援ツールというのも提供されています。
Google広告に少しだけ出稿してみる
ここからマーケティング寄りの話になります。
Google広告に出稿したからといってSEO価値が上がるわけではないと思いますが、クリックと流入が増える事自体はサイトの価値向上に繋がるのではと思います。
コンテンツマーケティング
サイトのコンテンツのボリュームが多い方が強いというのもありますが、読み物として面白い、もしくは有益な読み物はSEOでも価値があります。
面白ければアクセスやリンクが増えますし、滞在時間も伸びます。
少し前にマンガマーケティングという説明マンガを配信する方法がありましたが、これも関連性があれば未だ有効かと思います。
プレスリリースの活用
たいそう古典的な話ですが、無料でプレスリリースを配信するようなサイトも有効ではと思います。プレスリリースからのリンクそのもののSEO的な価値は微妙ですが、ともあれ流入しますし、内容によっては他サイトへの転載や、BtoB的なアプローチの可能性もあるかも知れません。
インフルエンサーマーケティング
最近はYouTuber全盛期(過ぎたかも)ですが、Web的に影響力のある人からのリンクであったり、紹介される事は強い効果があるようです。
注意点としては、有料のリンク自体はGoogle的に禁止ではないものの、ステルスマーケティングと見なされるとペナルティがかかると思われます。
例えば「何も紹介なくただリンクだけ」されている「PRの表示無く明らかな宣伝である」などはやめたほうがいいでしょう。
またインフルエンサーマーケティングでは、商品の評価に依頼者が口を出してはいけない事になっています。
サイト内にインフルエンサーが登場したり、その告知をインフルエンサーが自身のSNSに投稿するのは流入の増加ですし、SEO効果も高いかと思います。
少しSEOから離れた話をすると、僕はインフルエンサーマーケティングでは
インフルエンサーのフォロワー数×CVR×目標獲得単価=インフルエンサー予算という考え方をしていました。CVRは、根拠の無い限り1%で計算します。
YouTuberの事務所も増えすぎて、かつ予算もまだまだ高いので敷居は高いですけどね。
まとめ
今まで何人かのコンサルタントと一緒に仕事をしてきた中で、個人的な感想としてはSEOコンサルタントはSEOだけを目的にしがちですが、Webサイトには必ず何らかの目的があって、手段の一部としてSEOがある、という思想が正しいはずです。
アクセスは集めたけど商品は売れない、広告価値も無いというのでは無駄な労力で、外部リンクを作るより先にフリーダイヤルを導入した方が有益、という場面も多々あります。
またマーケティングと無関係に顧客にならないアクセスが増えても、収益になりません。
顧客を想定できないけど、とにかくホームページは作ろう、などというのはSEO以前の問題でお金と労力の無駄です。
逆に優良なコンサルタントというか、良好な結果を呼んだ例としては、同業の知人が千葉にある工場のホームページで、WordPressを導入して定期的に記事を配信していったところ、検索上位になり、自身の元請けの発注元から問い合わせ電話がかかってくるようになったそうです。
その結果、それまで孫請けだったのが下請けになってしまったのだとか。
そのWordPressの目的が「検索した時に上位表示になる」ではなく、「受注につなげる」だとすると、こういうのが正しく目的を果たした例ではないでしょうか。
梅木千世でした。