さて、前回物理サーバの話をしたので、今回は仮想サーバです。
いったん仮想サーバと呼びますが現在世の中でよく使わているのはクラウドサーバに利用するサーバのお話になります。
クラウドコンピューティングサービスはかなりメジャーになってきたので、言葉としてはご存知の人も多いんじゃないでしょうか?
その昔、一台のサーバー分割して複数台のサーバにしたらいいんじゃないか?という考え方がありました。
1台のサーバを仮想的に2台として振る舞わせると、2台の仮想サーバがある事になります。
それぞれ別々のサービスを運用して余分なスペックを無駄なく使ったりできます。
とはいえ、機械は1台なので、これが物理的に壊れると仮想サーバは2機とも壊れます。
この発想が発展すると、「10台の物理サーバを20台の仮想サーバにしてもいいんじゃないか?」となります。
こうすると、一台の物理サーバーが故障したとしても、他のサーバが補って仮想的なサーバーはサービスを継続できる事になります。
大きいスペックが必要な場合は、仮想サーバの分割数を減らして多い容量を割り当てたり、スペックが必要のない用途には分割数を増やして1サービスあたりのコストを落とすこともできます。
これが本体がどこにあるかわからないモヤモヤしたもの、「クラウドサーバ」となります。
この「クラウド」というのはもちろん英語の「雲」のクラウドで、手元の端末に保存せずインターネット接続さえあれば、クラウドサーバ上にあるアプリケーションやストレージを必要なとき利用できるという、という機能を持つサービス群です。
さて、このクラウドサービスですが、大きく3つに分類できます。
SaaS
Software as a Service
アプリケーションソフトウェアをクラウド上で機能させるスタイルです。
多分、普通の人が一番身近に使うのがこちら。
PaaS
Platform as a Service
プラットフォームと呼ばれるアプリケーションの実行環境のみを提供するのがこちら。
開発者はクラウド上に自分のサービスを構築することができます。
IaaS
Infrastructure as a Service
書いてある通りインフラです。ミドルウェアもなくサーバー、ストレージ、ネットワークなどのハードウェア環境を提供し、中身は開発者が制作運営します。
これらをクラウドサービスと呼びますが、Webサービスの開発者がクラウドサーバと呼ぶ時は、3つめのIaaS上に自分のWebサービスを作っていく事が多いです。
クラウドサーバを運営している会社は多数ありますが、有名どころで言うと以下が多いのではと思います。
- Amazon Web Services (AWS)
- Google Compute Engine
- IBM SoftLayer
- IDCFクラウド
- Microsoft Azure
- ニフティクラウド
- NTT Communications Cloudn
- さくらのクラウド
とりあえず、シェアの1番高いAmazonのAWSを例に話を進めていきます。
VPC
Virtual Private Cloud
AmazonのAWSでは論理的に分離したセクションをAmazon Virtual Private Cloudという名称で提供しています。
長所はカスタマイズが容易な事です。
とりあえず仮想サーバのひとかたまりと思えばよいかと思います。
VPN
Virtual Private Network
もしくは仮想プライベートネットワーク。
ネットワークを跨ってプライベートネットワークを拡張する技術。複数の拠点間で、専用の接続方法や暗号化を用いることによって仮 想的な接続をつくり上げること。
ACL
AccessControlList/ネットワーク ACL
そのサーバにアクセスできる、できないのルールに番号付けしたリストのようなもの。
サブネットのインバウンドトラフィックとアウトバウンドトラフィックを制御する事で、ファイアウォールのような役割をするセキュリティ技術。技術というか取り決めになります。
現在はどの会社でも大掛かりなシステムは、物理サーバよりクラウドサーバに移行しているので、サーバの再起動や容量の増大、セキュア化はボタン一つでできるようになり、物理サーバだけの時代よりとても楽になったかなと思います。
梅木千世でした。